神道や仏教の葬儀とは異なる点もある
故人を偲び遺族への慰めを伝えるという点では、仏教形式でもキリスト教形式でも変わりませんが、いくつかの習慣や考え方に違いがありますので、キリスト教の葬儀に出席する時には心に留めておくと良いでしょう。
たとえば、キリスト教の葬儀では、基本的にお悔やみを申し上げるという習慣はありません。
代わりに、「安らかな眠りをお祈り申し上げております」などの言葉をかけることができます。
また、キリスト教の葬儀では、賛美歌もしくは聖歌を歌うのが一般的です。
これに加わるかどうかは個人の意思ですが、歌詞カードが事前に配られることもありますので、少なくともそれに目を通しながら起立するのが礼儀と言えます。
もちろん、一緒に歌に加わることができるのであれば、それがベストです。
キリスト教の葬儀の一般的な流れ
キリスト教にはいくつもの宗派がありますので、それぞれに細かな違いはありますが、基本的な流れは似ていますので、一般的な葬儀の手順を把握しておくと戸惑うことがありません。
まず、葬儀の開始前には基本的に参列者は教会の中に入って、座席に座っていることになります。
そして、歌やオルガンの演奏が始まると同時に、牧師もしくは神父と共に、棺やご遺族が教会内に入ってきます。
この際には、参列者は起立して迎えるのが通常です。
その後、お祈りや聖書の朗読、牧師または神父による説教がなされますので、静かに聞くと共に、お祈りがささげられる時は頭を垂れて黙とうします。
そして、賛美歌もしくは聖歌が歌われますが、参列者も一緒に和するように促されることがあります。
お祈りの時もそうですが、基本的には起立して和するのが一般的です。
葬儀の最後には、献花がなされます。
献花は、参列者が順番に棺が置かれている前方に向かい、その脇にいる人から花を受け取って捧げることになります。
花を受け取る時には、花の部分が右手にくるように受け取るのがマナーとなっています。
そして、締めくくりとして、通常は喪主が代表して遺族からのあいさつを行います。
葬儀が終わると、自由に退場できますが、喪主や遺族に近づいて慰めの言葉をかけてあげると良いでしょう。
カトリックとプロテスタントでの違いもある
キリスト教の葬儀と一口に言っても、宗派によっていくらかの違いがあり、特にプロテスタントとカトリックでは用いられる用語などにも違いが現れます。
たとえば、カトリックでは神父、聖歌と呼びますが、プロテスタントでは牧師、賛美歌と呼びます。
葬儀の執り行いにも若干の違いが見られますが、参列者が行うという点ではそれほど大きなものはないので、周りの人に合わせれば問題ありません。
聖歌もしくは賛美歌を歌う時、祈祷を捧げる時に、敬意を表すために起立することなどの基本的な礼儀を守るように心がければ大丈夫です。