法定相続人とその順位

相続遺産相続は特に遺言などが残っていなくても被相続人の死亡という事実により自然に発生します。

仮に遺言書が残されていた場合においても、法的に認められてる相続人について意図的に相続をさせないようにという記述があるような場合には意義を申し立てることができるように定められています。

相続に関する規定は民法によって定められており、相続順位としてはまずどのようなケースにおいても常に相続人となるのは配偶者(夫・妻)であり、そこに第一位相続人として子、第二位に直系尊属(祖父母や曾祖父母など)、第三位に兄弟姉妹となります。

逆に言うとこの範囲以外の人は仮に血がつながっていても法律的に当然に相続権は発生しません。

それ以外の人に何らかの形で財産を残したいという意思があるなら、生前のうちに遺言書として財産分与の割合や内容についてを残しておく必要があります。

またここ近年で相続に関するトラブル事例が非常に多くなってきているのが正式な婚姻届を提出していないいわゆる「内縁の妻・夫」の相続です。

結論を言うといくら何十年というような長期にわたり夫婦同然の生活をしてきた人であっても、婚姻届が出されていない以上は相続の対象となることはありません。

賃借権のように一部例外的に相続することができる権利はあるものの、婚姻届が出されていない間柄においては財産を残したいという意思は事前に遺言書などで明確にしておかない限り自然には発生するものではないということは覚えておいてください。

子供の相続関係の範囲

先に子供や親、兄弟姉妹以外の人には相続権はないと言いましたが、例外として「代襲相続」によりそれ以外の範囲にも相続権が発生する場合があります。

代襲相続とは本来相続権が発生する立場の人がすでに先に亡くなっていた場合に、その子供が代わりに相続権を受けることができるという決まりのことです。

具体的に言うと被相続人の死亡が確認された時点において、すでに子供が亡くなってはいるものの孫が存命であるという場合です。

子供がおらず兄弟姉妹に相続権が発生する場合においても、兄弟姉妹本人が先に亡くなっていてその子供(被相続人から見て甥や姪)が存命のときにはそちらに相続権がそのまま受け継がれます。

それと近年増えているのが再婚相手の継子への相続についてのトラブルです。

再婚をするときには以前の籍を変更して新たに別の人と戸籍を一緒にすることになりますが、その場合においても前妻の子供として戸籍がある人に対しての相続権はなくなることはありません。

離婚をすることで配偶者としての相続権はなくなりますが、親子関係は再婚などによって亡くなることはなく仮にそのあと再婚相手と子供をもうけた場合においても本人が亡くなったときには前妻の子供も再婚相手の子供と同じ分割割合で相続権を得ます。

逆に再婚相手の継子の場合には単純に相続権は発生することはありません。

再婚相手の子供にも実子と同じように相続権を残したいということであれば、再婚届だけでなく養子縁組の手続きをする必要があります。

相続権がなくなるケース

本来相続権がある人であっても、例外的に相続権が発生しない場合があります。

相続権がはく奪されるケースとしては「相続権の廃除」の手続きをしたときと、違法行為をすることにより「相続欠格」と認められた場合です。

相続権の廃除とは、生前に相続人となる人が被相続人に対してひどい虐待や非行があったとして生前に家庭裁判所に申し立てをするということです。

具体的には生活費を全く入れてくれなかったり、暴力行為をされてきたというようなケースです。

もう一つの「相続欠格」とは、被相続人を脅迫したり遺言書を偽造したりといった行為があったとされる場合です。

極端な例ですが、遺産欲しさに被相続人を殺人してしまうようなときにまで相続権を認めることはできないという意味での規定です。