自分でも戒名を好きに決めることができる

戒名というのは、死後の世界での新しい名前ということになりますので、故人にとってはとても重要なものとなります。
また、それぞれの人間性や生前に成し遂げたことなどを表す名前が付けられるのが多く、戒名を見るとその人の人となりが見えてくるものともなりますので、真剣に考える必要があります。
ほとんどの場合、戒名は菩提寺や葬儀を執り行うお寺の僧侶が付けるものです。

しかし、より自分の好みを反映させたい、すでに付けたいと思っている名前の候補があるなどの理由で、自分で戒名を付ける人も増えています。
実際には、誰が付けても構わないものですので、もし戒名を自分の好きなようにしたいというのであれば、いろいろな案を考えてみるのもいいでしょう。
しかし、戒名には明確なルールがありますので、それに従わなければならないということも覚えておきましょう。

戒名の構造とは?

戒名には、普通の名前が家族を示す名字と個人を示す名前とに分かれているように、いくつかの構造を持っています。
一番頭に付くのが院号というもので、本来は寺院に関わりのある人だけに付けられることが多いものです。
「○○院」などの形を採ることが多い傾向にあります。

二番目に来るのが道号というもので、その人の仕事や業績、性格など、その人自身を特徴づける漢字が選ばれます。
この部分が一番個性を出すところですので、自分で戒名をつける際には、ここをこだわるようにしましょう。
その次が、戒名という部分で、自分や好きな人の名前から一字を取って作ることが多く、通常2文字で構成されます。

最後は位号というもので、この漢字が表しているように、その人の位を示すものとなっています。
男性では信士・居士・院清士・院居士に分かれていて、女性は清女・大姉・院信女・院大姉に分かれています。
これを見ることによって、その人が生前にどのくらいの社会的地位、もしくは寺院における貢献度があったかを見ることができます。

自分で戒名を付けるにあたって注意すること

自分でも戒名を自由に付けることはできますが、注意すべき点もあります。
菩提寺があるのであれば、必ず寺院の僧侶に自分で戒名を付けたいということを知らせると共に、戒名を考えた時にそれを見せるということを徹底することです。
お寺の中には、自分で勝手に戒名を付けることを嫌がるところもありますので、事前に話しておかないと大きなトラブルになる危険性もあります。

また、自分で好きなように付けると、宗派ごとのルールに違反してしまうこともあります。
どのようなケースにせよ、事前に墓を建てる寺院に確認をして、それで問題ないかどうかをきっちりと見てもらうようにしましょう。