贈与税について

所有する財産を、他の人物に無償で受け渡すことを贈与といい、贈与には生前贈与と、死後の遺産相続があります。
どのような場合にしても、贈与すると一定額以上の財産を受け取ったときには、税金が発生し、これが贈与税です。

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税があります。
暦年課税は、1年の贈与金額が110万円を越えたときに税金が発生し、多額の財産でも、数年間に分けて110万円ずつ受け取れば、税金は発生しません。
相続時精算課税は2,500万円まで非課税となり、こちらの場合は多額の財産を一度に受け取ることも可能です。
ただ相続時精算課税は、一度選択すると、暦年課税に戻すことは出来ません。

注目される生前贈与

財産の贈与方法には、生前贈与と遺産分配がありますが、相続税と贈与税の仕組みが変わり法改正されたために、生前贈与が注目されるようになっています。
改正の大きな部分に、贈与を受けられる人物を、子供以外に、20歳以上の孫にも拡大し、贈与できる年齢も60歳に引き下げられました。

贈与財産が多いほど課税率は高くなりましたが、一定の条件を満たすと、控除を受けられます。
20歳以上の子が直系の人物から贈与を受けたときは税率が下がります。
平成31年まで教育資金目的で贈与を受けると非課税となります。

これらの改正により、高齢者から若い世代に財産が移動するよう促すことを目的としています。

生前贈与を行うときの注意点

・合意の元で贈与し受け取る

一方的に財産を贈ると生前贈与とはならず、受け取る側の合意も必要となります。
そのために、まずはお互いに合意をして、さらに贈与契約書を結びましょう。
このようにして、書面で意志を示しておくと、お互いの合意の証明となります。

・契約は1年ごとに行う

生前贈与は、書類も契約もなしに行うことが可能です。
税金のことを考えると、合意したという証明の書類がないと、贈与にならないかもしれません。
贈与として証明するためにも契約を交わし、暦年課税を取るなら、毎年契約すべきです。

・早くから贈与を行う

相続が発生し3年以内は相続財産となり、課税対象です。
そのために、早い段階から生前贈与を開始すると、節税対策となります。

・受け取った人物は贈与税申告をする

贈与税が発生する金額の財産を受け取ったときは、確定申告を行い、税金を支払わないとなりません。
ただし財産を贈る側が申告して税金分を支払うと、その金額も贈与と見なされるので、財産を受け取る側が確定申告をして支払います。
また、確定申告をしないと税金を支払うことはできず、うっかり忘れるなどすると、追徴課税で余計に税金を支払わないとならないので、確定申告は忘れずに行いましょう。