相続トラブルの要因
相続トラブルは、相続金額の大小にかかわらず起こるものであり、遺産として金銭の他に不動産などもあります。
ほとんどが、5,000万円以下の相続でトラブルが起きており、平成27年度では、5,000万円以下でのトラブル件数は、6,205件となっています。
・不動産を相続するとき
相続トラブルで多いのが、不動産を相続するときです。
お金であれば数字となっており、明確に分配するなどできますが、不動産は数字で割り切れるものではありません。
どの不動産を誰が相続するか意見が分かれトラブルになります。
不動産を1つだけでも誰が受け取るか争いになりやすいですが、その他に、2つ以上の不動産でも、価値のある方を誰が受け取るかで争いになります
・人間関係が希薄のとき
相続する人物が、遺産を持っていた方との関係が希薄だと、トラブルになりやすいです。
親の遺産を子供が受け継ぐ場合はそうでもないですが、それが妻の兄弟や、義理の兄弟が受け継ぐとなると、遺産の分け方で意見が違う、または遺産受け取りを拒否するなどで、争いが起きやすいです。
普段付き合いのない人物が相続するときほど、トラブルになりやすいです。
・1人だけ親身な関係のとき
親の遺産を受けるとして、子供の中で兄弟の1人だけが長く親身に介護をするなどしているケースでも、トラブルは起こりやすいです。
このような時に、遺産は平等に分配するとなると、親身になっていたその人物は、不公平に感じ、争いになることもあります。
遺言でトラブルを避ける
相続トラブルを少なくするには、生前に遺言を残すことです。
遺言を書いて残しておけば、相続する人物は、遺言の分配方法や受け取る人物などを指定できるので、トラブルを少なくできます。
ただ遺言も、残された人々のことを考えて作成しないと、トラブルになるかもしれません。
・合理的な内容にする
遺言で誰に遺産を渡すか決められますが、合理的な内容にしましょう。
1にだけに全財産を渡すようなことはせず、公平に分けるようにします。
また、遺言書には財産のすべてを記載し、それぞれを誰に渡すか明確に記載し、不動産であれば誰に渡すか決めます。
1つの不動産を複数の人物に渡すような記載はせず、複数人に渡すなら、不動産を売って金銭にして分割するようにします。
・遺言執行者を指定
遺言作成では、遺言執行者の指定は必要ないですが、信頼できる人物を指定すると良いでしょう。
相続人に代わって相続手続きをしてくれて、第三者の立場により、粛々と相続手続きをしてくれます。
これが相続人が行うと、遺言に不満を持ち、変造するなどの危険が出てきます。
また、遺言は、自分で秘密裏に作成する他に、公正な立会人の元で作成することも出来ます。