葬儀が開始するまでの全体の流れ

高齢人が亡くなった場合に開かれることになるのが葬儀ですが、同じ冠婚葬祭でも挙式や季節行事のお祭りなどと大きく異なり、葬儀はかなり短期間で全ての準備をしなくてはいけません。

日本国内で行われる葬儀の中でも最も多いのが仏教式であるためまず一般的な仏式葬儀の流れで説明をしていきます。

高齢による死去の場合には、自宅もしくは病院内で亡くなるためまずは医師の立会のもとで死亡の判定を行います。

死亡を確実に判定した医師は死亡診断書など必要書類を作成するので、それを持って7日以内に死亡届を管轄の自治体に届け出ます。

なお人の死は心臓の動きが止まったときというふうに言われていますが、完全に心肺機能が停止をしてもそのあと約24時間くらいは体内の細胞が生きているためそれらが完全に止まってからでないと埋葬や火葬をすることはできません。

臨終から火葬までの期間としては最低でも一昼夜以上おくものとして定められています。

その間に残された親族は葬儀の準備と打ち合わせや関係先への連絡などをしていくことになります。

亡くなってから葬儀までにしておく重要な手続きとしては、死亡届の提出の他、火葬許可証の交付をしてもらうことがあります。

お通夜と葬儀本番までにしておくこと

葬儀を開くときにはまず故人や遺族の意向により、どういった方法で行うかということを最初に決めます。

一般の個人としての葬儀であれば普通その人が生前に属していた檀家もしくは自分の意志で入った宗旨に基づき式の方式を決めます。

亡くなった人が会社で重要な役職に就いていたという場合には会社が主催する「社葬」という形式にするかもしれません。

個人の場合にも広く参列者を募る一般葬にするか、あまり多くの人に伝えず家族と親しい人のみで行う家族葬にするかということでまた必要な準備が異なってきます。

まず遺族や関係者が集まってそうした葬儀の大まかな形式を決めたら、次に誰が喪主となるかを決定してそこからそれぞれの役割を分担していきます。

死亡からお通夜・葬儀が開かれるまでの間、遺体は自宅などに運ばれてそこで枕飾りなどをして安置をされます。

夏場など腐敗が進みやすい時期においてはエンバーミングという防腐処置を病院や専門の施設で行うこともあります。

打ち合わせが進んで葬儀のスケジュールが決まったら納棺をして自宅などの保管場所から葬儀開催場へ運びます。

ほとんどの場合葬儀の手配は専門の業者もしくは施設のスタッフにお任せになるので、遺族が細かく移動や指示などをする必要はありません。

無事に葬儀が全て済むと火葬場へ運ばれて遺骨の状態となって自宅に戻ってくることになります。

あとはお骨をお墓に納骨するまで自宅の仏壇などに置き必要な法要をしていきます。

変わる葬儀の形と新しい方式

結婚式においても今や純粋な和式挙式が開催されることは少なく、かなり自由に式の方法を決めるようになっています。

葬儀の場合は主役は既に亡くなっているため実際に式を計画するのは遺族であるということが他の冠婚葬祭とは異なりますが、世間一般の流れとして純粋な宗教葬が行われる頻度は少なくなってきています。

新しい葬儀の形式としては故人が好きだった音楽を流す「音楽葬」や、特定の宗教の祭祀を呼ばずにパーティーのように行う「お別れ会」といったものがよく見られます。

いずれにしても一番大切なのは先立った故人の意志となるため、残された遺族が迷わないように事前に何らかの形でどういった葬儀を希望しているかということを伝えておいた方がよいかもしれませんね。