遺言書の種類と有効となる条件
私達が普段「遺言書」と呼んでいるものはおそらく亡くなる前の人が残した文書全般のことをイメージしているものと思います。
ですが法律的には「遺言書」とは亡くなった人が生前に所有していた財産や不動産などの資産について、死後遺族や関係者にどのように分配をするかということについての指示をしたものであり、個人的な意見や意向を記したものは「遺書」であって「遺言書」ではありません。
つまり「遺言書」は法的根拠のある正式な文書として扱われるため、一定の要件を備えていることが効果のための条件になります。
なお書式の条件が法的には認められないものであったとしても、その内容を遺族や関係者が納得して行うことについては全く問題はありません。
ただしその場合に遺族や相続人同士で争いが起きたとしても、法的根拠のない状態の遺言書は裁判における根拠とすることはできません。
法的に有効な遺言書の種類にもいくつかの分類があり、書面の場合には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあり、緊急時において書面を作成することができない時には「死亡危急者の遺言」「伝染病隔離者の遺言」「在船者の遺言」「船舶遭難者の遺言」として特別に口頭でも条件が揃っていれば認められることになっています。
遺言書の発見と効力開始まで
遺言書は「公正証書遺言」や「秘密証書遺言」の場合には本人以外の公証人を立ち会わせて作成するため、死亡届が出されたと同時に代理人がその内容に従って手続きを開始します。
しかし一人でも作成ができる「自筆証書遺言」では、死後遺言書が発見されたときには速やかに家庭裁判所に届け出てその検認を受けなければ効力を発揮することができません。
この検認が行われることでその自筆証書遺言が法的に認められるかどうかが決まるため、もし死後の遺品整理でそれらしきものが発見さらた場合にはできるだけそのままの状態で届け出るようにしましょう。