意識がしっかりしているうちに書いておきたい遺言書

遺言生きているうちにまずしっかりと自分の意志を示すために書いておきたいのが「遺言書」ですね。

私達が「遺言書」と呼んでいるものは法律的には三種類があるのですが、きちんと書式さえ守られていれば一人で作成をしたものであってもきちんと効力を発揮します。

とはいえ親戚が多い場合や家族関係で揉め事が起こる可能性がある場合には、きちんと自分が亡くなった後に公正に内容通りの分配が行われるようにするために第三者を仲介させたより法律的効力の大きな方法で作成をしておく方がよいといえるでしょう。

遺言書に関する決まりが定められているのは民法で、そこでは「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つのうちのいずれかの場合に遺言書としての効力を発するというふうに書かれています。

参考>>http://members2.jcom.home.ne.jp/souzoku-hp/page031.html

この中でも最も手軽に作成可能なのは最初の「自筆証書遺言」なのですが、完全に自由に書けばそれでよいというわけではなく、最低限の決まりが守られていないと無効となってしまいます。

ですのでもし誰にも知られずに遺言書を作成したいという場合には、まずきちんと法的効果のあるなしを確認しておき法的効力を持てるような形で残しておくようにしましょう。

なぜ遺言書を作るのか

遺言書は本人が亡くなってから何らかの行為の実行を期待して行うものです。

ですがいくら遺言書であっても、何もかもを命令することができるようになるわけではありません。

法律的には遺言書によって指示することができる事項は全部で5つしかなく、それらは主に遺産相続の分配方法や家族関係の確認にとどまります。

極端な例ですが、例えば「自分が死んだあとにAさんとBさんは結婚すること」といった内容のことを記載していたとしても残された人がそうしなくてはいけないということはないのです。

ただそうした遺言書の法的効果でないことは強制力はないのですが、伝えられた相手が実行をするかどうかは自由意志になります。

ですがそうした本来の遺言書の効果として定められる内容とは異なる事項については遺言書に記載することで余計なトラブルを生むことにもなるのでできれば書いておかない方がよいかもしれませんね。

「うちは分けるような財産はないから」は間違い

生前整理の一つとしてこの遺言書の作成は必ずといっていいほど勧められます。

しかしそう言われた人の大部分は「うちは分けるような財産もないから必要ないよ」といった反応をするものです。

確かに遺言書がなくても本人が亡くなったあとには法律に基づいた財産分与などが行われていくことになりますが、過去の事例を見てみるとむしろ財産が少ない家庭の方がのちに相続争いが起こることが多いという特徴が見られています。

意外かもしれませんが亡くなった人の資産が一千万円以上の場合よりも、200万円~300万円くらいの層の人の方が相続に関するトラブル事例が多く争いが長引く割合が多くなっています。

相続というと残された財産ばかりに意識が向きますが、本人が抱えていた負の遺産(借金など)も同じく相続の対象になってきますのでそうしたものの処理のためにもできるだけ意識がしっかりしているうちに身辺整理をして相続についての定めをしておく方がよいと言えます。

ちなみに一度遺言書を作成したら二度と変えることができないということはありません。

もし複数の遺言書が存在していても日付が最も新しいものが優先的に適用されるのであまり固く考えずその時の状況から判断して早めに遺言書としてしたためておくのがよいと言えます。