相続の発生と手続き方法
相続権の発生要件となるのは被相続人の死亡です。
ですのでもし親族関係にある誰が亡くなった場合には、それが親でも子供でも相続に関する権利が発生する可能性があります。
相続というのは言い換えれば遺産相続のための権利なので、手順としてはまず本人が死亡したことを医師の診断のもとに確認をして死亡診断書を作成することが最初になります。
普通人が自宅や病院などで亡くなった場合には、その場に医師を立ち会わせて死亡というふうに診断を行うのですがそこで発行された死亡診断書は最寄りの自治体窓口に持ち込みそこで「死亡届」として受理をしてもらいます。
死亡届が出されるとその時から故人の名義であった不動産や預貯金の口座内の現金の移動が制限されることになり、遺産相続の対象となる財産はどのくらいの規模になるのかということの確認作業が行われていくことになります。
また亡くなった人が遺言書を残していたかどうかを調べ、もし存在していたら法的有効性を確認するとともに、その内容通りの分割を行うための確認や手続きを行っていきます。
急に亡くなった場合や特に遺言書が残されていなかったという場合には、法定相続分をもとに相続人同士が遺産分割のための協議を行っていくようになります。
参考>>http://isanbunkatsu.chie-bukuro.jp/flow/
もし遺産相続協議がまとまらなかった場合には
遺産相続協議のもとになるのは、民法の規定となっている法定相続権やその権利に基づく分割割合です。
遺産相続において最も手厚く権利が与えられるのは配偶者で、子供が存命の場合には1/2、子供がおらず両親のみという場合には2/3というかなり大きな割合で財産の分与を受け取ることができます。
ですがそうした大きな割合を占める財産は必ずしも現金のようにはっきり公平に分割できる形で残されているとは限りません。
一般的な家庭の場合では被相続人が亡くなる前までは配偶者とともに住宅に同居していることと思いますので、、大抵の場合はその居住に使っていた建物や土地が優先的に配偶者に与えられることになります。
土地建物はあわせると資産としてかなりの額になりますので、それを丸々配偶者のものにしてしまうと法定相続分そのままの割合で子供や両親などに財産が行きわたらないということもあります。
そうした場合には法定相続分ではない割合でも納得をして分割をしたという「遺産分割協議書」というものを作成して、それぞれが残った部分のどれを相続するかということを決めていきます。
話し合いだけでまとまってくれればよいのですが、あまりにもその割合がアンバランスで公平さに欠けるものであったり、家族間で何らかの確執が起こっていたりすると話し合いだけでは遺産協議がまとまらないということもあります。
当事者間の話し合いだけでは遺産分割ができない場合には、第三者に介入をしてもらうということで管轄の家庭裁判所に調停を申し入れることになります。
調停では家庭裁判所の裁判官などがより公平な解決方法を提案していくのですが、それでもまだ争いが収まらないというときにはさらに裁判所の審判を受けることとなります。
裁判での審判にもまだ不服があるという人がいるときにはその先の高等裁判所にまで持ち込み、判断をしてもらうというふうな流れになっています。