今必要とされる「生前整理」と「老前整理」

年々高齢化が進む日本国内ですが、それにともなって重要性が広く言われるようになってきたのが「生前整理」です。

現在既に後期高齢者となっている世代と比較して定年退職を迎えたばかりの60代くらいの人は高齢化に対しての問題意識が非常に高く、自分の老後や死亡後のことについてかなり真剣に考えているという人も多く見られます。

これは実際に自分の祖父母や両親の死に立ち会った経験や認知症の介護をしたということによる経験が関係していると思いますが、ほぼ寝たきりになってしまったり自分の意志をきちんと示すことができなくなってしまってからの家族の負担は相当なものとなります。

また仮に意識がしっかりしているとしても高齢者ともなるとある日突然に倒れてそのまま数日もしないうちに亡くなってしまったなんていうケースも決して珍しくなく、そうしたときには短時間のうちにたくさんのことを遺族は処理していかなければいけません。

健康なうちはいつまでもこの生活が続くものというふうに考えてしまうため、亡くなったあとに必要になる処理ということはそうそう想像することはできません。

生前整理をするということは遺族の負担を大きく減らすことができるだけでなく、亡くなったあとに残したいものや逆に残したくないものを自分の意志でコントロールをしていくことができます。

死亡というところまでいかなくとも、脳梗塞などで体の一部がきかなくなってしまったり、認知症で正しい判断をすることができなくなってしまう可能性もあるため、「生前整理」だけでなく「老前整理」として早めに取り組んでおくことがすすめられます。

主な生前整理の内容とは

生前整理をする主な目的としては、まず自分の持ち物を整理しているものといらないものを判別するということがあります。

古い住宅に長く住んでいるという方であれば、蔵や押し入れの中に今では貴重な工芸品などが1つ2つ残っているということもあるでしょう。

しかし家族が普段遠方で生活をしていたり、そうした先祖伝来の品についての話をきちんとしていないときにはそうした貴重な遺品たちももしかしたら粗大ごみ扱いをされて捨てられる可能性もあります。

亡くなったあとにきちんと遺品を正しい価値をもとに処理してもらうためにも、まず今の住居にどういった品物がありどんな価値があるかということをまとめておく必要があります。

また住宅や土地といった不動産があったり、車や芸術品のような高価な動産がある場合にも、自分の死後どういった引き継ぎ方をしてもらいたいかを残しておくことで遺族同士があとでもめるということがありません。

生前整理ではわかりやすい書面として残しておくようにするとともに、可能であれば関係する家族に直接伝えて納得をしてもらうようにしたいところです。

生前整理をすることは気持ちの整理にもつながる

日本では発した言葉に魂が宿るというような言霊的な伝承があることから、生前から死後のことを語るのは縁起が悪いという意識がもたれがちです。

ですが不吉だからといって口に出さなくても、人である限りは必ずいつかは亡くなる瞬間を迎えます。

むしろ生前のうちに処理をしておきたいことをまとめておくことで、もし生命の危機を迎えたとしても心安らかにそれを迎え入れることができるということもあります。

あえて自分の死後を意識することで今生きているということのありがたみを噛みしめることができるという高価もあるため、ぜひ実際に老いる前に生前整理を始めてみてください。

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